殺人タックルについて
はじめに
今回この記事を書こうと思ったのは、昨今ニュースやSNSを騒がせている、大学アメフトでの危険なタックルについての記事を見たからです。
アメフトを知らない人でも、このプレーがいかに危険な行為であるかは理解できると思います。
タックルを食らった選手は全治3週間の怪我だそうです。
私はアメフトの経験はありませんが、中学からラグビーをしていていたため、タックルの危険性については熟知しています。
力が抜けた状態で受けるタックルは非常に危険です。ましてや、死角からあのような低い強烈なタックルを受けたら、深刻な後遺症、最悪の場合死に至ることは明らかです。
では、なぜこのような「事件」が起きてしまったのでしょうか。
タックルをした本人には、タックルを受けた選手がどうなるのか、想像力が足りなかったのでしょうか。
※以下に述べる解釈は個人の意見であり、事実と相違する可能性があります。
ルールなきスポーツは戦争を超えてもはやテロである
真偽のほどは定かではないですが、特定の相手を狙ったタックルは、監督からの指示である、という話があります。
狙われた相手のポジションがQBという、アメフトで鍵となるポジションの選手でした。その選手にプレッシャーをかけるために、身体を当ててプレーを乱す、といった指示があった可能性は大いにあります。
こういった話はラグビーでもよくあります。選手の士気を高めるために、「壊せ」とか「潰せ」と言う監督もいます。正直それで一時期ラグビー嫌いになってしまった
しかし、アメフトやラグビーは、球技ではありますが、競技の特性から言ったらこれはもう「格闘技」です。身体をぶつけ合う以上、最低限の線引きはそこにあります。
もしもスポーツからルールを取り去ってしまったら、それは戦争としか形容できません。
今回のような、相手が無防備な時に振りかざす暴力は、もはやテロに等しいでしょう。
過熱しすぎた勝利至上主義
体育会というのはとかく精神論が出てくることが多いです。
私は精神論は否定はしませんが、理論なき精神論ほど無意味に人の心を蝕むものはないと思っています。
「勝たなければ意味がない。敗者には何も残らない。」
こういった勝利至上主義も体育会系ではよく出てきます。ビジネスの世界も同じで、そのマインドが植えついているから、体育会系の人間は就活強いんだろうな、という邪推をしてしまうくらい、よく出る概念です。
しかし、法を犯してまで得る勝利は、何の価値も生まないどころか、その業界の存続すら危ぶむような状況を生み出してしまう危険性があります。
教育者には、そういったリスクについても考えてもらいたいと感じました。
試合中に冷静さを失ったら負け
気になったのが、殺人タックルの後にも続けて起きた、不必要な悪質なプレーです。
正直見ているだけでも不快なので、相当選手は冷静さを失っていたんだろうな、と見ていて感じました。
実際にプレーしたことがあるわけではないので、選手が元々そういう人だったのかどうかは分かりませんが、私は、個人の名前を挙げて批判するのはなんか違うと思います。
当然、責任を取り、必要な謝罪を行った上でですが。
事件によって面白いものが衰退してしまうことを恐れている
長々と書いてしまいましたが、この事件によって、アメフトに悪い印象を持つ人が増えてしまって、競技が衰退することを恐れています。
コンタクトスポーツだからこそ、他の競技にはない、緻密さと大胆さを兼ね備えた面白いスポーツだと思います。
ただ、ラグビーで大きな事故を経験した身としては、思ったことを書かずにはいられなかったので、書いてみました。
以上です。